へるみー感想②-2 "Help Me!"は三部作なのか? ―"ワクテカ take a chance"編―

この前書いた、モーニング娘。の"Help Me!"の感想の続きを書いてみようと思います。


……の前に、オリコンデイリー一位おめでとうー!

せっかくなので、このままウィークリー一位取って欲しいですね。
小田ちゃんはもちろん、9,10期にも一位とってほしいなあ。
さゆリーダー体制のモー娘。で一位っていうのも、すごくいい。

明日か明後日?の順位発表が楽しみです。





で、長々と書いてる、へるみー感想の続きです。
"Help Me!"っていうか、"One・Two・Three"から"Help Me!"までの三作品の感想って感じですが、
今回は、"ワクテカ take a chance"の感想文を書いてみます。








前回は、”One・Two・Three”の感想を書きました。
私の解釈では、"One・Two・Three"は女の子の恋愛の始まり(彼との付き合いはじめ)を歌った曲で、

①この曲の女の子は恋愛に過剰な夢を抱いている。
②そして、その夢に現実が追い付く日をひたすら待っている。

という特徴があります。
"One・Two・Three"から、"Help Me!"まで、現実を見て恋愛に対する夢が覚めるというよりは、現実を見てますます夢に拍車がかかって、夢と現実がいつまでもすり合わないタイプの女の子の目線で歌が作られているというのが、私の基本的な考えです。

で、そうして"One・Two・Three"で始まった恋愛が次にどうなったのか、
起承転結でいう「承」にあたるのが、"ワクテカ take a chance"だと思います。



この曲で面白いなーと思うのは、
"ワクテカ"と"take a chance"という真逆の言葉が同じタイトルになっていることです。
"wktk"ならぬ、"ワクテカ"って、もとは"ワクワクテカテカ"だから、
「ワクワクしながら待っている」様子を意味していますよね。
そうした「期待しながら待つ」ことと、「take a chance」という、みずからチャンスを掴みとうという積極的な姿勢が一つになっている。

つんく曲って、基本的に女子は「待っている」と思うんです。
積極的にあなたに会いたいと思っている歌も、自分から会いに行くことってあんまりなくて、
ひたすら、会える日を待ち、あなたに抱きしめられる瞬間を待ち、思いばかりを募らせている。
そして、彼女たちはたいてい、そうした待ち焦がれる気持ちを素直に口に出すことができない。
最近の曲だと、ベリーズの「Want!」とか℃-uteの「会いたい会いたい会いたいな」とかそうだと思いますし、“One Two Three”も基本姿勢は受け身だったと思います。

そういった「待つ」女子がいう「チャンスをつかめ」とはどんな事態なのか。



"ワクテカ take a chance"は、恋したら躊躇せずまっすぐ突き進め! という曲であるということで(つんくさんがライナーノートに書いてました)、躊躇しそうな自分を叱咤激励している曲であると言うことができると思います。

上にも書いた通り、私は、“One・Two・Three”から “Help Me!”までの三作では常に、女の子の恋愛に対する夢と現実のギャップが歌われていると思っているので、
そのことと、 「ワクテカ(期待して待っている)」「take a chance」(自分からチャンスを掴め)という、タイトルの組み合わせを考えてみると、この曲は、

「ワクテカ」=「恋愛に対する夢」が叶うかなーと期待している
→「それでいいのかな?」と迷う気持ちが生まれる。
→「Take a chance」=「(その夢に沿った)現実を掴みとれ」という決意によって迷いを振り切る。

という過程を歌った曲である。と言えるのではないかと思います。


ここで、 “ワクテカ take a chance”の、さゆとふくちゃんの

「どれが本気で どれを信じる」 

という部分の歌詞に着目してみます。
というのも、この部分は明らかに、「誰を信じて 誰を信じる?」と、迷っている心情を歌った部分だからです。
この後に、タイトルである「ワクテカ Take a chance」という言葉が来ていることから見て、この歌詞の前後で、「迷う → それを吹っ切る」までの変化が起きていると仮定できます。

というわけで、この歌詞の前後の流れを以下にまとめてみました。

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「Stop!止めて 尻軽ちゃんじゃないわ」

「でもDon't Stop!(止めないで) 嘘だよ。めちゃShock……」

「どれが本気で誰を信じる?」

「ワクテカ Take a chance」

「ここから始まるのさ」

「黙ってkissでもしろ 黙って安心させろ」


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「めちゃshock……」までは、自分の気持ちに素直になれず思うように恋愛が進まない様子を歌っていると思います。
「わ、私、尻軽じゃないんだから、やめてよね……!!!(あー、本当にやめちゃうんだ、別に本音じゃないのに)」みたいな。
その後、「どれが本気で だれを信じる?」という、気持ちの揺らぎ(なのか、小悪魔の囁きなのか)を経て、
「黙ってkissでもしろ」という強気な姿勢に至るわけです。

この強気な姿勢に至るには、
「ワクテカ Take a Chance」という歌詞の後の

「風を感じてる ほら大地の叫び声 自然を信じてる さあここから始まるのさ」

という部分が非常に重要なのではないかと思います。
ちなみにこの部分、二番は、


「地球が回ってる ほら大地からの恵み 自分を信じてる さあここから始まるのさ」

です。


ポイントはここで、迷いを振り切る際に、「風」や「大地」といった「自然」を持ち出しているということ。特に、「風を感じてる」「自然を信じてる」「地球が回ってる」と来て最後に「自分を信じてる」となっている点です。
すなわち、この歌にとっては、「自分を信じてる」ことと「地球が回ってる」ような自然の摂理が同列線上にあります。
ここから、この後に歌われる「黙ってkissでもしろ」という強気っぷりは、この恋は「自然の理なんだ」というような確信に裏付けられているのだと考えることができます。

こうして、“One・Two・Three”で抱かれた夢は、 “ワクテカ take a chance”で確信へと変わります。
但し、注意せねばならないのは、「ワクテカ」が「現実」に推し進められようとするときに、現実の彼の姿や、実際の二人の恋愛関係の現状が全くもって参照されていないのだという点です。
この歌では(他の二曲でもですが)、全然、相手の姿や相手の気持ちが見えてきません。
全てが一方通行です。
「反対されても」というように、二人の恋愛関係を取り巻く現実の人間関係がちらっと出てきても、それは「それでもあなたに惚れているんだ」ということによって、彼女の眼中から消えて行きます。

この曲においては、二人の現実の恋愛関係は見えて来ず、彼女の思い込みだけが深まって行き、最終的には自然の理という、人間を超えた、大きな仕組みによって、その思い込みが後押しされて行くのです。

自分の現状に対して「躊躇する」ということは、自分の理想と現実の狭間で、もう一度、現状を問いなおす機会でもあると思います。
そうだとすれば、この曲で、女の子は、夢と現実のギャップに疑問を持った後、夢の側に大きく舵を切ったと言える。
言い換えれば、彼女は、理想の恋愛を「こんなの理想像だし、恥ずかしいし……」と諦めるのではなく、夢の方に現実を引きずりこむという決断をした。
それは自分の理想の恋愛を諦めないということであると同時に、自分の感じている違和感に蓋をするということでもある。


最初に書いたように、女の子は「過分に恋愛に夢を抱いている」ので、その夢を貫き通すなら、その夢の前にはどうしても現実が立ちはだかることになります。

その結果、夢を夢のまま突き進んだ彼女が行きついたのが、「Help Me!」という叫びなのではないでしょうか。
というわけで、長々と書いてきましたが、

要は、 “ワクテカ take a chance”は、

①"One・Two・Three"で歌われた夢が疑いようのない確信に変わっている。
②但し、その確信は現実を経ていない、盲目的な確信である。

という特徴を持った、
勘違いした女の子が勘違いしたまま突き進もうとする曲であるのだと思います。



別にこれは批判したりバカにしたりしているわけではなくて、これは、女性が男性の視点を抜きに女子的視線だけを使って、女子的世界を作り上げようとしているという点で、すごく面白い曲だと思っています。
男性目線で作られたAKBの曲と比べるとすごく面白い(どっちが良いとか悪いとかじゃなくて)。

というわけで、次回は、こうした流れでみる “Help Me!”について書いてみたいです。
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by n1watooooor1 | 2013-01-27 21:11 | ハロプロ
ハロプロ、宇多田さん、大森靖子さんなど、楽曲レビュー・考察、ライブレポなどを書いています。→http://niwanotori.hatenablog.com/へ記事を移行し、このブログは愚痴や日記用に。ご連絡はこちら→ 管理人:にわの、Twitter:ok_take5、tori.niwa.noあっとgmail.com