※リリウムの感想というより、ただの独り言ですが、リリウムのネタバレあります※



最近、大森靖子さんの曲と、Berryz工房の『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』と、『LILIUM リリウム 少女純潔歌劇』についてよく考えるんだけど、この三つ、私の中では、何らかの形で「少女性」を問題にしているという点で共通している。

というか、大森靖子さんの『絶対少女』があまりにも鋭く「少女性」を問題化していたので、何か、めっちゃ影響を受けて、色んなものを、「少女性」のフィルターを通してじゃないと考えられなくなった。
『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』は、Berryz工房による「少女性」の語り直しに聞こえるし、『リリウム』は「少女性」を断罪しているように見える。
「少女性」の病にかかっている気すらする……。


■LILIUMの少女性

『リリウム』は力作だった。良い作品だった。ライブじゃ見られない類のメンバーのエネルギーや底力を、見せてくれてありがとうって言いたい。

ただ、この作品の、少女から根こそぎ希望を奪いさるその非情さは、少し恐ろしかった。

その非情さを正面から受け止めきれなかったからか、私は、このミュージカルは、「アイドル」の世界の模倣なんだと解釈している。
(→こんな感じ:「アイドルのミュージカル」と「ミュージカル」の交差点2/『LILIUM リリウム 少女純潔歌劇』の感想)
「少女純潔」とは、まさしく、このミュージカルを演じるハロメンたちが、いつもアイドルとして求められていることだ。
「ファルス」は、ヴァンプたちに「永遠の純潔」を望んだ。
ハロオタたる私も、おそらく、心のどこかで、アイドルに「永遠の純潔」を夢見ている。
だから、『リリウム』が描き出した「少女純潔」の結末は、私がアイドルに望む「純潔」が、アイドルを奈落の底に叩き落とす様を描いているようにも見えた。
『リリウム』には、「純潔であり続けることの絶望」が描き出されている気がした。

私はハロオタだけど、時々、私は、私の大好きなアイドルがいつも私を裏切らないで、純潔なイメージを保ってくれていることが、アイドル自身を傷つけてはいないかと、時々、ふっと恐ろしくなる。アイドルは天使だったり女神だったりするけど、本物の天使ではないし、本物の女神でもない。生身の女の子に、「純潔」を求め続けると、いつか絶対にどこかに歪みが生じるはずだ。
『リリウム』の結末には、その「恐ろしさ」を暴かれた気分だった。
このミュージカルには、「少女の胸に純潔を刻まれる」ことの痛みがあふれ出しているように見えた。
だから、これから、アイドルを応援するとき、私の夢や欲望が「ファルス」にならないように、細心の注意を払わなければならないと思った。



■大森さんの少女性

一方で、「胸に純潔を刻む」ことは、アイドルに限らず、「女の子」が多かれ少なかれ体験することでもあるのだと思う。

大森靖子さんは『絶対少女』というアルバムで、そんな「女の子」たちの痛みを歌っている。と思う。
例えば、『絶対彼女』という曲には、以下のような歌詞がある。

  まずずっと愛してるなんて嘘じゃない
  若いこのとこにいくのをみてたよ
  ミッキーマウスは笑っているけど
  これは夢


この曲に出てくる女の子は、自分に向けられる「ずっと愛してる」という言葉も、ミッキーマウスの笑顔も、ひと時の夢なのだと、知っている。
「ずっと愛してる」という言葉はいつか若い子に向けられ、ディズニーランドの外に出ればミッキーマウスは赤の他人。
この曲には、それがいつか冷める夢だと知りながら、その夢の中を生きなければいけない「女の子」の痛みがある。(と私は解釈している→容易い肯定ではなかった……/大森靖子「絶対彼女」の感想





「少女純潔」というのは、「女の子」に対して抱かれた夢の一つだ。
「女の子には、純真で、純潔で、無垢な「少女」である瞬間がある。それは、あくまで、「瞬間」であり、その無垢さはいつか失われる。だからこそ、その瞬間は美しい。」という夢。
その夢は美しい。それこそ、「少女純潔歌劇」という一つの名作を生み出すほどに。

女の子が「処女」であることにはとても価値がある。
それは、「純潔」で「いつか失われる」からこそ、価値がある。
少女が処女性を失い、少女でなくなった時、女の子の価値は落ちる。
アイドルほどではないけれど、須らく女の子というものは、多かれ少なかれ、心のどこかで、そんな「価値が落ちる」瞬間を恐れているに違いない。





ただし美少女に限る。




■ただし美少女に限る

今まで私が書いてきた「女の子」だとか「少女性」だとか。
これら全て、「女の子」が「美少女」でなければ、説得力は半減する。

女の子に「純潔」を求めることの暴力性がどうだとか、そのようなことを語るとき、それを言っているのが、ブスだったりデブだったり年増のおばさんだったりすると、言っていることの説得力は地に落ちる。
(だから、私が書いた上記の文章もたぶん、説得力は皆無だ……)。

この世の中には、おそらく、いや、確実に、「いや、お前に純潔は求めてねーよwwwwww」「お前が処女でも意味ねーよwwwwww」と言われうる女が存在する。

たぶん、大森靖子さんが歌っているような痛みは、多くの女の子が体験しているし、
アイドルともなると、すごい輝きすぎていて、もう遥か彼方の存在なんだけど、それでも、たぶん、アイドルが体験する「歪な欲望」って、きっと、もっと身近な形で、多かれ少なかれ、女として生まれた人たちが、体感せずにはいられないものだったりするものなはずだ。

たぶん。

しかし、

仮に。

本当にそうだとしても。

それは「かわいい子が言わないと説得力がない」のだ。

『少女純潔歌劇』だって、美少女が演じなければ、ただのコントになりかねない……。



■Berryz工房の少女性

ここで、『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』の話がしたい。
リリウムの話からの強引なるBerryz工房という無理やり展開。
しかし、最初に書いた通り、私の中では、大森靖子も『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』もリリウムも、ある種の「少女性」を問題にしているという点で共通している。

Berryz工房の『アイドル10年やってらんないでしょ!?』という曲は、アイドルに求められるものを「少女性」から「楽しさ」にすり替えたんだという記事を書いたことがあるんだけども、
Berryz工房というアイドルの現在は、かわいかろうが、かわいくなかろうが、「女の子」に生まれちまった「女」にとって、ある種、新しい希望を与えてくれていると思う(こんなことを言うと、また石を投げられる予感がする)。
すなわち、Berryz工房という美少女集団は、自分たちの価値を「美少女」以外のところに作り出して行く。
アイドルという「純潔」な存在たる彼女たちが、「純潔な」少女性以上の価値を、生み出していく。
それって、すごいことだと思う。
Berryz工房は、「アイドル」とか、「少女」とか、「女」とか、そういう概念そのものに切り込んでいくようなことをやってくれているんじゃないかって、私は割と本気でそう思っている。







リリウムは「少女」の世界を美しく描き出してるし、大森靖子は「少女」の世界の痛みを歌っている気がするし、Berryz工房は「少女」という世界そのものを変化させてくれている気がする。

私が大森靖子さんを知ったのは、ハロプロを通してなんですが、

全部、ハロプロ繋がりの世界だけで、こんなに「少女」の世界を色んな角度からみれるって、なんか、やっぱり、ハロプロすごいなあって、思っている。
強引なまとめ方ですが、そんなただの日記でした。

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by n1watooooor1 | 2014-06-12 01:04 | 『LILIUM リリウム』

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『LILIUM』の感想文は下記の三本立てになっています。
いずれもネタバレ注意です。

感想その1はこちら:「アイドルのミュージカル」とは何かについての独り言。
 URL:http://niwanotori.hatenablog.com/entry/2014/09/28/211232
感想その2はこちら:物語の内容についての勝手な解釈
 URL:http://niwanotori.hatenablog.com/entry/2014/09/28/211550
感想その3はこちら:それぞれのメンバーについての感想
 URL:http://niwanotori.hatenablog.com/entry/2014/09/28/211701

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by n1watooooor1 | 2014-06-08 02:20 | 『LILIUM リリウム』

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by n1watooooor1 | 2014-06-08 02:06 | 『LILIUM リリウム』

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by n1watooooor1 | 2014-06-08 01:48 | 『LILIUM リリウム』
ハロプロ、宇多田さん、大森靖子さんなど、楽曲レビュー・考察、ライブレポなどを書いています。→http://niwanotori.hatenablog.com/へ記事を移行し、このブログは愚痴や日記用に。ご連絡はこちら→ 管理人:にわの、Twitter:ok_take5、tori.niwa.noあっとgmail.com